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きょうは少し照れくさい話から始めようと思います。

 ぼくは日本で高校に通っていたころから、モデルのアルバイトをしていた時期があります。ジー
ンズやチョコレート菓子などのテレビ・雑誌のCMにもちょろっと出ていました。親に頼らずアメ
リカに留学する資金をためたかったからです。

 そのころ、所属していた事務所に、まだ俳優デビューする前の名高達男さんがいました。今から
二十数年前のことです。

 東京都心にあったその事務所では、毎週金曜の夜にレッスンがあって、立ち方、歩き方、表情の
作り方などを習いました。二十人前後いた生徒のうち男性は名高さんとぼくだけ。女性たちはみな、
モデルの卵または既に仕事を始めている人たちですから、全員がそれぞれにとても魅力的です。そ
の後、タレントとして幅広く活躍したシェリーさんも、その一人でした。

 こういう状況には、誘惑が付きまといます。ぼくも最初は心の中で「やった」と思いました。し
かし、そんなぼくを察してか、五つほど年上で事務所の先輩にあたる名高さんは「女性には気をつ
けるんだよ。心の中の箍(たが)をはずすと、いい仕事ができなくなるし、目標を見失うよ」と注
意してくれました。

 彼は、ぼくに事務所や芸能界での振舞い方も教えてくれました。「礼儀は尽くさなければいけな
いけど、深入りしないほうがいいよ」と。ぼくが留学準備のためにモデルの仕事をしようとしてい
たのを知っていたからだと思います。彼はハンサムだし人柄もいいので、すごく女性にモテると思
うのですが、ハメをはずしたところを見たことがありません。レッスンが終わった後、よく男二人
だけでお茶を飲みに行きました。ぼくはお酒飲めないし、彼も自制していたんだと思います。

 ある日、彼は「モデルの仕事をきちんとがんばれば、次のステップに行ける。可能性が広がるん
だ」とも話していました。事務所で出会ってから約二年後の昭和五十一年、名高さんはTBS系ド
ラマ『婚約時代』で、俳優としてデビューしました。今思えば、モデル時代から冷静に自分と周囲
を見つめて、目標に向かって着実に歩んでいたようです。

 数年前、都内のテレビ局で偶然、再会しました。ぼくが続けているトラブル相談などの活動を知
っていて、「いつでも、ぼくにできることがあったら言ってね」と、あの笑顔で話してくれました。
自分も人も大切にする。ひとつの仕事を長く続けられる人というのは、こんな彼のような人かもし
れません。

(助世夫 健)

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